【港区地域福祉講演会】生きているって幸せ~生まれてこなければよかった命なんてひとつもないんだよ~
9月20日土曜日 くもり

港区民センターにて、『第8回 港区地域福祉講演会』を開催し、230名の方にご来場いただきました。

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全国で講演活動をされている道志 真弓さんを講師としてお招きし、「生きているって幸せ~生まれてこなければよかった命なんてひとつもないんだよ~」というテーマのもと、 “14トリソミー”という難病を抱えて生まれた娘さんと二人三脚で歩んでこられた8年8か月の日々をお話いただきました。

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「結婚したら、すぐ赤ちゃんを産めると思っていたんです。でも・・・」と、
結婚をされてから5年間に及ぶ不妊治療のつらさや苦しさ、治療の中で起こった事件を、会場の皆さんに「どうしてだと思いますか?」と投げかけながら、ユーモアたっぷりにお話される姿に、会場からは笑い声があがることもありました。

長い不妊治療を経て、ご主人と「赤ちゃんがいない夫婦2人の生活を考えよう」と話し合っていた矢先に授かった念願の「小さな命」。

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5日間にもおよぶ長い陣痛に耐え、出産して初めて抱っこしたその時、
病院の先生から辛い言葉をかけられます。
『お母さん、最後にだっこをしてあげてください』と・・・。

「産婦人科の先生は『おかしい』とすぐに分かったのでしょう。……先生から『この子はもし成長できたとしても、話すことも、歩くこともできない』と言われ、ようやく生まれたわが子を前に、涙が止まらなかった。夫からは『いつまで泣いているのか。生まれてこなければよかったと思うのか』と言われたが、悲しくて、悲しくてその言葉に返事もできなかった」と声を震わせながら語る道志さんの姿に、会場のあちこちで、こらえきれず涙を流す方の姿が見られました。
そんな失意のどん底にいた道志さんを救ったのは「生まれてきて良かったやん。普通なら流産してたはずなのに、生まれてきて顔が見られたんやで。今の方がいいんちゃうの?」というご主人の言葉でした。

“14トリソミー”という病気は、日本では今まで、妊娠しても流産していたので、生まれてきたのは道志さんの娘“弓華ちゃん”がはじめて。
そんな難病を抱え、「余命1か月」と言われた娘との日々が笑顔であふれた楽しいものになるように・・・と前を向いて歩きだした道志さん。

毎日おでかけをし、外出が大好きになった弓華ちゃん。
うちわで遊ぶのが大好きで、よく笑うようになった弓華ちゃんが2歳のころ、第二子となる息子さんも生まれ、ますますにぎやかになった家の中。

「無事に3才になったら旅行に行こう」とはじめて遠出し、そこから4才、5才と誕生日を重ねるごとに家族旅行は続いていきました。


『余命1か月』と言われてから4年が経ち、こうしてずっと生きていけるんじゃないか、という希望を抱きながら月日は過ぎ、迎えた8歳の冬。

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腎臓病の悪化に伴い尿毒症で顔がむくみ、大好きなうちわを持つこともできないぐらい衰弱していく弓華ちゃん。
「しんどかったらいつ天国に行ってもいいんだよ。でも生きたいなら頑張って。ママも一緒に頑張るから」と声をかけながら、最期まで家で暮らしたいと願った家族が、4人から3人になったのは、最期のお出かけとなった熊本城のお花見を終えた、5月の末のことでした。

朝9時過ぎ。呼吸を何度も確認しながら家事を進めている中、ふといつもと違う感じがして抱きかかえた道志さんの腕の中で、弓華ちゃんは静かに息を引き取りました。

「覚悟」を求められ続けた8年8か月の日々、「とにかく最期は私の腕の中で、という私の願いを、叶えてくれた」と語った道志さん。

講演の最後に、「使命という字は、“命を使う”と書きますが、娘はこうして、“命の大切さ”を伝えるために、『話す仕事をしている』私のところに生まれてきてくれたのだと思っています」という言葉で締めくくられました。


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たくさんの方にご来場いただき、地域福祉講演会は大盛況のうちに幕を閉じました。

素晴らしいお話をしてくださった道志 真弓さん、ご来場くださった皆様、本当にありがとうございました。


道志さんの著書『笑顔の戦士』に、弓華ちゃんと歩んだ8年8カ月の日々が綴られています。機会がありましたら、ぜひご一読ください。
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